7月26~30日の3泊5日、ロンドンを出張で訪ねた。5月に訪問したばかりなので目新しいことは全くなかったけれど、前回と比べると若干スケジュールに余裕があり、30℃を超す酷暑の中少し街を見て回ることができた。
イギリス料理の代名詞とも言える「パブ・ランチ」にチャレンジしたのは今回が初めてだった。注文したのはもちろんその代表格「フィッシュ&チップス」、タラの切り身のフライとプライドポテトの組み合わせ。フィッシュは皮はカリッと身はジューシーで、なかなか美味しかった。日本ではよくブリティッシュ・パブと銘打たれたチェーン系パブ「HUB」でフィッシュ&チップスを食べるけれど、圧倒的に本場の方が美味。
大英博物館に初めて足を運んだ。世界史の教科書で目にした文化遺産が多数展示されており、圧巻。ただ、基本的に全て帝国主義時代に現地より略奪されたもの。特に中東のものが多いのが印象的だった。折りしもレバノンを中心とした中東危機に際して米英両国が派兵を主張している最中であり、複雑な気分にはなる。かの有名なロゼッタ・ストーンも印象的だったけれど、最も目を奪われたのはアッシリア宮殿の浮き彫り彫刻。紀元前645年頃に作られたというニネヴェのアシュールバニパル王の宮殿から出土した同王のライオン狩りの図は見事の一言だった。
ヨーロッパのノミの市の中でも、ロンドンのストリートマーケットの面白さはずば抜けていると評判が高いとのことなので、「カムデン・ロック・マーケット」に行ってみた。ここはロンドンの若者たちに人気が高いストリートマーケットとのことで、観光客も含め人でごった返していた。古着、アクセサリー、アンティークと数えれきれない程の店があったけれど、楽しかったのはやっぱり食べ物の屋台。アジア、アフリカ、中南米、ヨーロッパ、世界中のファーストフードの屋台があるのは、ロンドンがそれだけ国際都市である証だろう。たこ焼きの屋台があったのには少々面食らったけれど・・・。何を食べようと色々と考えた挙句、日本ではなかなか食べることができないだろうと思って、西アフリカ料理の屋台で「ゴートカレー」に挑戦してみた。スパイスが絶妙でお世辞抜きに滅茶苦茶美味しい。日本でも絶対に売れると思う。
フレッシュな体験としてはこんなところだけれど、それにしてもロンドンの街も5年前と比べると大分印象が変わった。まず何よりも物価が異常に高い。来日した外国人が東京は物価が高い高いとよく言うけれど、その比じゃない。地下鉄初乗り運賃が630円だなんて、アンビリーバブルだ。そして、第二次世界大戦とこの国独特の白人優越主義の影響があってか日本人は軽視・蔑視されがちだと以前はよく耳にしたものだけれど、街を歩いていてそのような印象は全く覚えない。ヘルシーブームのために街中に寿司やそば等の日本料理のファーストフード店があり、むしろ親日的なのではないかと思える程だ。もっともイギリスの田舎に行けば今でも以前と状況はあまり変わらないのかもしれないけれど・・・。
ここ3ヶ月間に2回訪れたので、さすがにロンドン市内中心部の地図は完全に頭の中に入った。もはやガイドブックなしでもある程度歩き回れると思う。次回は9~10月の訪問を予定。秋のロンドンも楽しみだ。
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